10月末に起きた富士山での滑落事故。
わたしの中では、けっこう大きなトラウマになってました。
最近やっと落ち着いてきました。

わたしも頻繁に富士山に行っていたから、あの時は、
お客様から心配のメールもけっこう頂いてまして。

心配されるたびに、
明るく対応しながらも、モヤモヤがずっと伴っていました。

あまりにもあっけない事故だったので。

事故内容は、ざっとこんな感じ。
生配信で中継しながら登山していた男性が、山頂から滑落した。
それを視聴していたリスナーが通報して、警察が動いた。

翌日に性別不明の遺体が発見されたものの、
それがその方なのかどうかはわからぬまま、
2週間くらい過ぎてから身元が判明。

さっきまで喋っていた人が、目の前で(画面の向こう側で)、
一瞬にしてこの世から消えてしまうなんて。
あっけなさすぎます。

この事故で、ネット上では、
自業自得だの、富士山をなめてるだの、ことごとく叩かれてました。
わたしはどうして滑落しちゃったのか知りたくて調べていたんですが、
知りたい情報に辿り着く前に、
いろんな方の感想やツィートが先に目に入ってくるので、
これほど他人の感想が邪魔くさいと感じたことは初めてです。

バカヤロー扱いなら受け入れられる。
わたしもバカですから。
だけど、人格まで否定する必要はないと思ったし、
「無事に下山出来ました!」って偽者まで登場して、
視聴者数稼ぎしてる人もいて呆れましたし、
人が亡くなってる事件すらもネタにして稼ぐその発想に、
ほとほと感心しました・・・。


事故の3日後、わたしは富士山に居ました。
警察や山岳救助の方々も沢山いらっしゃってて、
「くれぐれも気を付けて。」と念を押されての出発でした。
閉山中でも、訓練目的で歩くのは理解して頂けたのですが、
事故のおかげで、なんとなく肩身が狭くてね。
気持ちも少しばかり重くてね。

だけど、富士山はなんて美しいのでしょう。

生配信されていた映像でも、雪の富士山山頂を見て、
この世のものとは思えない美しさに、
うっとりとしたリスナーも多かったようです。

映像の中では、滑落する少し手前で、
「こっちに来ないで。」という女性のような声が入っています。
それは転送を繰り返されてるうちに、途中でいれられた悪戯なのか、
山の神様からの忠告だったのか、真実はわかりません。

亡くなった方のこれまでの孤独を思うと、
動画配信は、社会との接点を保てる大切な場所だったのかもしれません。

そして、この配信がもし成功していたら、
次々と、同じような無茶な過剰な配信をする人が増えて、
この先、もっと大きな事故が起きていたかもしれない。
それを止めるキッカケとなる役目を背負っていたのかなぁ。。。。


年間通して、わたしも山岳保険には入ってますが、
救助なんて呼ばれてしまったら、どれだけの請求が届くんでしょう。
救助なんか呼んじゃいけない。
もし遭難したら死ななきゃ払えないです。
だから、無駄な遭難なんかしちゃいけない。
救助する側も命がけのことだから。

とにかく残念でなりません。
どんなにバカでも、アホでも、
生きて帰ってきてほしかったです。

ほんとバカですよ。
山頂に着くの遅すぎだし、
それなのに山頂ルートを回るなんて。

だけど、、、
わたしも富士山によく行くし、他人事ではないので何も言えません。
時間を決めて下山することをルールにしてますが、
このルールを守るために強靱な意志力を必要とする時があります。
それほどそれほど魅力的なんです。
もう少し行ってみようって思ってしまうことあるんです。
寒くてキツイのに、謎にパワーが出てしまう時があるんです。

ルールを守り通せているのは、わたしひとりの力ではないです。

一瞬だったかもしれないけれど、
その一瞬が、どれほどの恐怖だったのだろうと思うと。

せめてあちらの世界では、安らかに過ごしていてほしいです。

わたしも気を付けなければと本当に思いました。